誰のために働く人ですか?
昨年10月に滋賀県大津市で起こった中学二年生の「いじめ自殺」事件。
学校側の対応をめぐり、日本中から批判が殺到して大混乱を招いています。インターネットでは怪情報までいろいろ出回るなど、関係者の周辺は百鬼夜行の状態。
問題の本質は、どこにあったのでしょうか。
「誰のために働く人ですか?」
担任教師や上司・先輩教師は、自分の胸に手を当てて、こう考えてみなかったでしょうか。
私(筆者)は介護業界に生きる人間です。従って、私たちが誰よりも尊重しなければならないのは、介護サービスを利用する利用者です。「利用者のために働く」。そして、その働きの対価を得て、自分たちの生業としていく。プロフェッショナルとして取るべき姿勢です。「自分自身(と家族)のために」という要素は、「利用者のために働く」ことによって、結果として自然についてくるものです。本末転倒してはいけません。
同様なことは、教育業界でも、他の業界でも、共通して言えるでしょう。商品やシステムを利用する人たちがいるからこそ、自分たちの仕事が成り立っている。
大津の事件で、担当教師や上司・先輩の教師たちには、この認識があったのでしょうか。組織の論理や、町内名士の力関係や、他の夾雑物に目を覆われて、自分が「生徒のために働く」人であることを忘れ、保身に走ってはいなかったでしょうか。
私たちはこの事件を教訓として、再度自分の心に、「誰のために働く人ですか?」と問いかけてみましょう。
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