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2012年11月22日 (木)

介護予防計画とは何か?(1)

「要支援状態」の利用者のケアプランを「介護予防サービス計画」と呼びます。しかし、認定結果が要介護であか、要支援であるかにかかわらず、広い意味での「介護予防計画」とは何を指すものなのかを理解しておく必要があります。

たとえば税理士を業として収入を得ており、クラシック音楽鑑賞を趣味とし、世界各地のコーヒーを味わうのを嗜好にしている、65歳の男性Aさんがいるとしましょう。このAさんは脊髄損傷により下肢機能に重度の障害があるため、車いす生活を送っています。Aさんはあくまでも士業士として自立し、自分の情感世界を持った社会人であり、その自立を支援するために介護サービスが参画しています。

このように、介護にしても医療にしても保健や福祉にしても、それぞれ人間生活の一部分に過ぎません。もちろん、Aさんは生身の人間ですから、加齢や、疾病や、事故や、精神的な落ち込みや、その他さまざまな理由で、現有機能を低下、縮小させる危険性があります。それを防ぐための方針が総体として「介護予防」ということになります。

ところが、介護予防計画という言葉を使うと、官製の「予防プラン」書式によって領域別の課題を整理し、そこから目標→サービスにつなげ、給付管理をするという手順を示す意味になってしまいます。これでは利用者の生活を特定の断面で切って理解することになりかねず、介護予防の意味が矮小化されてしまう恐れが大です。

そこで、私は利用者の生活の全体像を把握するため、初回訪問では車を使わず、歩いて(遠距離の時にはバスに乗り)自宅まで赴いています。自宅周囲の生活環境から入り、住環境、屋内の雰囲気と、次第に利用者本人に近づき、それから利用者とじっくり向き合い、おもむろに狭義のアセスメントを進めるスタイルを採っています。一人の住民としての利用者のアイデンティティを総覧することから、介護予防が始まると言って良いでしょう。

「ADLが低下しないようにする」ことは「介護予防」のごく一部分なのだということを理解しておきましょう。

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