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2012年12月 8日 (土)

二十四史の面白さ(1)

いま、政治的には日本と中国とが難しい局面を迎えていますが、私自身は学生時代に中国古代史を専攻しており、いまでも史書を読んだり訳したりするのが趣味の一つになっています。政治的な問題はひとまず措いて、史書について少し述べてみましょう。

有名な司馬遷の『史記』以来、中国では歴代王朝の史書が整えられてきました。上代から明の時代まで、すべて二十四の「正史」が存在しますので、これを「二十四史」と呼びます(中華民国で編纂された『新元史』を含めて「二十五史」とすることもあります。また同じく民国で編纂された『清史稿』は数に含めません)。

この「二十四史」はいずれも「紀伝体」という形を採っています。歴代皇帝の事績と総合年表を兼ねた「本紀」と、宗室(皇族)や臣民の伝記である「列伝」とを基本とした史書の記述形態です。これに対し、『春秋左氏伝』や『資治通鑑』などの記述形態は、登場人物ごとにまとめるのではなく、年月順にまとめて起こった事件を記録しており、「編年体」と呼ばれます。

この「二十四史」に含まれる各史書の成り立ちはさまざまです。『後漢書』『三国志』のように私的に編纂された史書が後日「正史」に列せられたもの、『漢書』のように公的な立場にある人が著述した史書が「正史」とされたもの、『晉書』のように最初から国家により選任されたスタッフが編纂したものなどに分類されます。あとの分類のものほど、官製史書の性格が濃くなります。

また、これらの史書は、『史記』を除けば、王朝が滅びてから後代の史家が著述・編纂したものです。そのため、著述・編纂当時の王朝が、記述対象である王朝をどのように位置づけていたかによって、質的に左右されるものでした。

それでは、何回かのエントリーに分け、私が具体的に感じている「二十四史」の面白さについて、いくつか触れてみましょう。

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