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2014年2月

2014年2月23日 (日)

ヴェルディ歌劇の面白さ(6)

20日(木)、上野の東京文化会館で二期会公演、ヴェルディの『ドン・カルロ』を鑑賞してきました。

指揮はガブリエーレ‐フェッロ(敬称略、以下同)、演出はデイヴィッド‐マクヴィカー。キャストはフィリッポ2世がジョン‐ハオ、ドン‐カルロが山本耕平、ロドリーゴが上江隼人、王妃エリザベッタが安藤赴美子、エボリ公女が清水華澄、宗教裁判所長が加藤宏隆、テバルドが青木エマ、修道士が倉本晋児、レルマ伯爵が木下紀章、天からの声がチョン‐ヨンオク。

ヴェルディの全26作品の中で、最も壮大であり、かつ深刻な悲劇と言われています。当時の「世界の半分(スペイン・ポルトガルとその全領土)」の君主であったフィリッポ2世(=フェリーペ2世)と、王子ドン・カルロ(=カルロス)との相克を題材にしたドラマであり、これにカルロと同年の王妃エリザベッタ(=エリザベート)が絡む構図。本来カルロの婚約者だったエリザベッタが、父王の王妃になってしまう(これはフィクションですが)ことが発端となり、大貴族ロドリーゴと女官長エボリを含めた5人の登場人物の、愛と憎悪、友情と敵意とが複雑に交錯します。そこにカトリックとプロテスタントとの対立が表面化し、「仮借のない」宗教裁判所長が介入することで、第四幕あたりからドラマは極度の緊張に達します。

20140220doncarlo


もともとこのオペラは「ドン‐カルロス」としてフランス語の台本に作曲されましたが、ヴェルディ自身が何度も改訂を加えたことにより、現在もいくつかの版が残っています。イタリア語に訳されて「ドン・カルロ」となり、これも四幕版と五幕版とがありますが、20日の公演は五幕版のほうでした。

キャストは全四公演を二公演ずつ分担するダブルキャストで、20日は若手中心のいわばBキャストでしたが、総じて「聴かせる」上演でした。中でも清水のエボリが出色の出来で、第二幕「ヴェールの歌」、第四幕のアリア「むごい運命よ」は、いずれも聴衆からブラヴォーの嵐。安藤のエリザベッタも劇的な役を見事にこなし、第五幕のアリア「世のむなしさを知るあなた」は圧巻。女声二人の活躍で全体が華やかに彩られました。ハオ・山本・上江の男声陣も好演。加藤と倉本はやや声量不足との指摘を免れず、要所を締める二人のバスに、もう少し迫力があればさらに良かったのですが・・・。

フェッロの指揮は聴かせどころでテンポをやや緩め、じっくり腰を落としてオケを響かせるスタイル。マクヴィカーの演出は限られた予算(?)の中で同じセットを終始通して活用しながら、台の上げ下げで場面を表現するという秀逸なもの。オペラ初心者にもわかりやすい設定でしたが、台本にはない、フィリッポ2世とエリザベッタとの間に生まれた娘(乳児)が登場する場面、台本では修道士に連れ去られるカルロが、騎士たちに斬殺されてしまう(史実では幽死)場面などは、甘いロマンに浸ることを許さない現実の冷徹さを表現したものとして、特徴的だったと感じました。

2014年2月11日 (火)

「裁判」の語源は長州藩から

全国共通の用語としてごく普通に使用している言葉の語源が、実はローカルな言葉だった、というのはよくあることですが、三権の一つ、司法の根幹部分に位置する言葉がそれに該当するのだと言えば、意外に思われる向きもあるのではないでしょうか?

その言葉とは、「裁判」。

語源は「宰判(さいばん)」で、江戸時代の長州藩(=萩藩。毛利家)における地方行政区画の呼称です。関ヶ原の戦で石田三成側に与した毛利家が、徳川家康によって周防・長門の二国(いまの山口県)のみに減封されたのが1600(慶長5)年。それから半世紀後の1650(慶安3)年には、すでに「宰判」の行政区分が機能していました。

その後、江戸時代を通じて多少の異動がありましたが、幕末の長州藩には4末家(支藩のこと。長府・徳山・清末・岩国)および18宰判が存在し、合わせて22の行政単位に区分されていました。この規模は古来の「郡」または郡を2~3に分割した広さに当たります。

さて、長州藩は薩摩藩(島津家)とともに明治維新の主力になりましたが、明治新政府は1868(明治元)年、大阪・兵庫など全国12箇所に「裁判所」を設置しました。これは旧幕領(諸藩に属さない直轄地)を統治するために新設された機関であり、長州藩の「宰判」における代官の駐在地「宰判所」の語を転用したものでした。その年のうちに「府藩県三治制」が施行されたため、行政機関としての「裁判所」は姿を消しましたが、1871(明治4)年に至り、司法省のもとで東京裁判所が設置され、司法権力を行使する機関に姿を変えた「裁判所」が復活しました。これが現代の裁判所の起源になっているのです。

ですから、英語trialの訳語としての「裁判」も、裁判所が行う拘束力を持つ判定として、用語が定められ、定着したものであり、言葉の流れをたどれば、「宰判」→「宰判所」→「裁判所」→「裁判」ということになるのでしょうか。

こんな具合に、制度上定着している用語の発祥地を尋ねてみるのも、興味深いことです。

2014年2月 8日 (土)

「8日ごとに定期更新」やめました

ブログを8日ごとに定期更新・・・

これまでは、原則そのようにしてきました。

しかし、Facebookに登録してから、ペースが変わりました。こちらはSNSで業界仲間の「友達」と情報をやりとりするのに欠かせません。FBにそれなりの時間と労力を費やすと、どうしてもブログの定期更新に無理が生じます。余計な重荷になってしまいます。

ということで、これからこのブログは不定期更新することにしました。もちろん、あまり間を置き過ぎないように、最低でも月一回以上は更新していきますので、思い出したような折にでも結構ですから、たまには訪れてみてください。

なお、エントリーのうち、社会問題に関する内容は、なるべくFBでも紹介していきたいと思っています。

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