仲間を踏み台にするな!
独立型、一人親方のケアマネジャーとして開業13年。
どこの組織からも等距離を保つことを目指し、浜松で介護サービスや医療・保健サービスを展開する機関・事業所とは、業務提携や、講師の受任などの業務受託をいっさい行わず、公正中立を守ってきた。
いわば「バカ正直」で採算の合わない仕事を13年続けてきたわけだが、満足感こそあれ、後悔はしていない。
この13年、私はいつもケアマネジャー仲間をはじめ、介護業界の仲間を大切にしてきたつもりである。自分だけが知見を広げ、技術を高め、地位を強化することを目標に置いてこなかった。同じ心を持つ業界の仲間たちが、あるときは競合し、あるときは協働しながら、介護業界全体の底上げに役立つのであれば、これに過ぎることはないと考えてきた。
しかし、業界の指導者のすべてが同じような気持ちを持っているわけではない。「自分だけがよければ」という考え方の人も、残念ながら存在する。厳しい環境のもと、そのような人たちが一定の割合で出てくるのは、いたしかたないことであろう。
問題はそのやり方である。
全国レベルの職能団体・業界団体の指導者や、全国的な業界の著名人の中には、仲間の犠牲の上に立って平然としている人物が存在する。
職能としてのケアマネジャーの代表的な立場にありながら、政策側やケアマネ不要論者の言いなりになって仲間たちを振り回し、自らの基盤を強化した人。独立型のケアマネジャーの組織化に動きながら、知名度が上がると同じ志の仲間からあっさり離れてしまい、自分だけが成功の道を歩んだ人。学会でケアマネジャーの資質を高める責任を負っていながら、力量未達のケアマネジャーの欠陥を意図的に掘り出して煽ることで、自らの地位を上昇させていった人。・・・
数え始めれば次から次へと続く。ケアマネジャーに限らず、介護業界全体に広げれば、さらに何人もの人物が挙げられる。私自身が面識のある人もいれば、名前だけ聞いていて会ったことのない人もいる。個人が特定できる表現は避けたいが、読者の方々から見て、思い当たる人物もいるのではないだろうか。
多くの業界人たちは、これらの人たちの本質を見抜けずに、「エラい先生」として奉っているかも知れない。確かに、この人たちを講師にした研修一つ開催しても、知名度が高いのだから、多くの受講生が集まってくるに違いないし、その説く内容そのものは学ぶに値するものかも知れない。また、これらの人たちは自分自身の地元地域で実り多い活動をしている場合もあり、全国レベルでの振る舞いで人格のすべてを測るのは、間違っているのかも知れない。
しかし、私はあえて言いたい。
「仲間を踏み台にして独り勝ちするのは、人間として最低である」と。
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