激動前夜(2)
(前回から続く)
明けて10月26日、アローチャート(以下、AC)学会二日目、午前中は分科会である。
私は第二分科会に参加。ここでは四組五人の方の発表があった。畑岡さん、木村秋子さん(周防大島町・おげんきハグニティ)、楠神渉さんと辻広美さん(アローチャート研究会滋賀県支部)、宇井吉美さん(千葉県・株式会社aba)。
畑岡さんの認知症ひもときシートとACとを関連付けた実践、木村さんの利用者に寄り添いACを活用した支援、楠神さん・辻さんの全県レベルでのACネットワーク構築(下の写真)、宇井さんのロボット工学へのACの活用、いずれも刮目すべき内容で、時間があったらそれぞれ一日かけてでもじっくり深めたいコンテンツであった。
第一分科会のほうはどちらかと言えば初心者向けの企画で、「アロ母」色部恭子さん(川崎市・ホッとスペース中原)が、参加者に描き方の基本的な構造と利用者支援への道筋とを伝授していたようだ。
午後は「ひろばArrow Chart」と称したグループワーク。司会進行は安達さんと旧知の村木孝志さん(横浜市・あったか訪問看護ステーション)である。私はグループのテーブルホスト(パシリテーターともいう)を仰せつかったのだが、短い時間に凝縮した中身の濃い意見交換ができたのは、さすがにACの集まりならではのことであると感嘆。メンバーのご協力により、何とか役割を果たすことができた。
全体会。吉島会長の講評。
締めの閉会式では、実行委員長・鈴木則成さん(アローチャート研究会副会長)のあいさつ。鈴木さん、途中で感極まって涙声に。
とにかく充実した二日間であった。実行委員の方々には心から感謝申し上げたい。
今回は、これまでFacebook上のみでの交流だった多くの方々に、実際にお会いしてお話しする機会をいただいた。なかでも山梨県の手塚恵さん(笛吹市・石和温泉病院)が、数年前の当社自費出版当時に購入された作文教室の2冊(すでに販売終了)をわざわざ持参してくださり、ご希望によってサインをさせていただいたのは感激であった。
さて、今後は私もACを自ら活用し、また普及に協力していくつもりであるし、アロ研内では浜松の自主勉強会「矢万図(やまと)浜松」の代表世話人の立場であるから、今回の学会の成果をメンバーに伝えるとともに、自分たちの学びを深めていかなければならないことは当然である。
他方、私は自分自身のフィールドも持っている。上述した作文教室に端を発する、介護業界の「産業日本語」がそれである。今回知り合った方々を含めた業界仲間からの「出前講座」依頼については、前向きに応じていこうと思う。ただし、老母の体調不安があるため、どうしても一泊二日以内で往復できる土地に限定されてしまい、結果、年に2~3か所程度になってしまうのだが・・・
また、来たるべき激動を前に、介護業界に対する自分自身の思いを整理し、書いたものにより発信していくことも企画している。データの分析や制度・政策論が苦手な私に、どのようなシロモノが執筆できるのか、心もとない面もあるが、私の独りよがりではなく、多くの業界仲間たちに共感してもらえる組み立てにすることが大切だと考えている。そのためには皆さんの声に謙虚に耳を傾け、数か月をかけて取りまとめをしていきたい。
激動前夜。旗色が悪くなるほど武勇を示したような戦国期の名将にあやかりたいと思った。
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