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2014年11月 4日 (火)

激動前夜(1)

医療・介護総合確保推進法の制定から、財務省による介護報酬6%減の提案と、いま介護業界は大きな曲がり角を迎えつつある。まさに「激動前夜」と表現すべきだろうか。

そのような中、業界の心ある人たちの間では、働く人たちが自分たちの専門性によって市民、利用者の権利を守っていくために何をすべきなのか、真摯な議論がなされている。

10月25~26日(土・日)、琵琶湖畔の滋賀県彦根市「くすのきセンター」に、第一回アローチャート学会に参加する人たちが集結した。

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アローチャートとは、山口県・梅光学園大学の吉島豊録准教授が開発した、ケアマネジメントの思考過程を可視化したツールである。情報同士の因果関係や相反関係を所定の方式により結んで、相関関係から課題を導き出すことが可能であり、また、すでに作成されたケアプランの的確性を検証することもできる優れものである。

それ自体がアセスメントツールではないがゆえに、さまざまなアセスメント方式と共存できる利点がある。これまで業界で多用されてきたMDS→インターライ方式や、センター方式などに比較しても、情報収集から分析に至る過程を効果的に描き出すことができる。

吉島准教授が主宰する「ひろばアローチャート」「アローチャート研究会」には、すでに業界の錚々たる人物をはじめ、多くの人々が集まりつつあるので、この学会への参加は、そういった全国の人たちと交流できる楽しみも大きかった。

一日目は吉島会長の基調講演、坂本文典さん(逗子市・さくら貝サービス事業所)と石田英一郎さん(昭島市・アシストケアプランセンター昭島)との研究発表、高野龍昭さん(東洋大学ライフデザイン学部准教授)の記念講演と続く。

終了後、懇親会。知った顔も多いが、こういう席では仲間との新たな出会いがある。特に、遠方の安達清昭さん(北見市・特別養護老人ホーム‐フルーツ)や畑岡直喜さん(益田市・あすかケアホーム)に初めてお会いできたのは、うれしいことであった。

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石田さん(上の写真左)は昔はミュージシャンだったという異色の人物。仕事ではきわめて論理的思考をされるが、交流の場では感覚本位(?)からハメを外すことで有名(笑)。単に昭島で絶大な信頼を得ているのみならず、全国レベルでも業界草の根ネットワークのバランサーとして評価が定着している方である。その前週の土曜日には、静岡県介護支援専門員協会の全体研修で講演していただいたばかり。

下の写真は「その筋の方々」ではない(笑)。真ん中が安達さん、右が畑岡さんである。
安達さんは四年前に情報公表の調査員が来所したとき、用意した資料と、「これ以上、職員に何か強要したら刑事事案ですよ」と書いた紙を渡して、あとは徹底的に無視したという伝説の方で、このエピソードには多くの心ある業界人が喝采を送ったものだ(情報公表には地域により運用に差があり、善意の事業者が高い意識から参入した地域ばかりではなく、一部特権団体による収奪が問題になった地域があったことを、誤解なきよう補足しておく)。
畑岡さんは島根県老施協のホープ、吉島会長の秘蔵弟子でもあり、「若頭」と呼ばれている。

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あの関西ラーメン仲間の稲岡さんや小田原貴之さんも来られていたし、さらに感服したのは、福岡・大分・熊本・宮崎などの九州勢の方々、それも多くは女性が、遠路をいとわず参加されていたことである。特に齋藤由美さん(宮崎市・オフィスそら)は、ウェブマスターの設楽直紀さんとともに、勉強会のハングアウトなどネットを駆使した全国交流を支えてくださっている。

(次回へ続く)

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