御三家の城下町でラーメンめぐり
尾張(名古屋)、紀伊(和歌山)、水戸と言えば、徳川御三家の城下町である。と言っても、今回は歴史の話とはあまり関係ない。
いろいろなご縁から、この三か所でラーメン食べ歩きをする機会を得たので、その話題である。
まずは名古屋。私の母親の故郷(中村区)でもある。昨年11月に講演を依頼されて知多市へ行った途中の昼食。名鉄神宮前駅の近く、名古屋人の多くが好んでときどき食べる「寿がきや(カーマ熱田店)」。いわゆる大衆向きでクセのないとんこつ味。
また、先月19日の歌舞伎初鑑賞のときには、出演されていた市川澤路さんのご案内で、栄にある「麺屋・壱の介」の鶏白湯ラーメンを味わってみた。スープのコクがなかなかのもので、麺も好み。名古屋は浜松からも近いので、リピーターになるかも知れない。
次は水戸。4月24日、いばらき福祉研究会へ講演でお邪魔したとき、居酒屋「ゆきち」での懇親会で飲んだあとに出てきた、隣(家族経営)の「ファミリーらーめんふるさと」の一品。時間が時間だけに、あっさりした旨醤油味が美味しい。あとで検索すると、日中も地元の人たちに人気があるようだ。
翌25日、同会会長・小林さんからのご教示もあり、水戸市街の「石田屋」で、ビジター向けの「水戸藩ラーメン」なるものを賞味。日本で初めてラーメンを食べたとの説が有力な、水戸藩主・徳川光圀(1628-1700)時代のラーメンを再現したもので、麺は小麦粉とレンコンの粉を混ぜてあり、色がやや黒い。チャーシューは鶏肉(光圀の時代は鴨?)、具に青菜と椎茸、さらに五種類の薬味を入れるのが特徴。きわめてあっさりした醤油味だが、現代のラーメンに慣れた舌には独特の風味が印象的なご当地ラーメンである。
そして和歌山。5月10日に観光に出向き、業界仲間である地元の町田さんお薦めの店、「玉林園グリーンコーナー」築地橋店へ。日曜日とあって、午後2時に行ってもお客さんがいっぱい。ここで市民の皆さんも多く食事する人気の「てんかけラーメン」。オーソドックスな塩味のスープに天かすが入っており、具はわかめ、薬味に紅しょうがといった組み合わせがなかなか好かった。
夜は、町田さん、谷さん、永橋さんの地元勢と、このブログに何度も登場している京丹後の稲岡さんと合流して、5人で会食。谷さんが選んだのは、和歌山ラーメンを代表する店の一つ「楠本屋」。ここで注文したのは「中華そば」、とんこつ醤油味の正統派の和歌山ラーメンで、これぞ和歌山と言うべき品。旨し!
結局、三か所とも、ソウルフード型のラーメンと、ご当地型のラーメンとを、それぞれ一つずつ味わったことになった。いずれにしても、一つの店の味を創始した人は、さまざまな創意工夫を加えて、独自の味覚を開発してきたことであろう。
今回はたまたま徳川御三家のラーメン店を食べ歩いた形になったが、日本各地のラーメンはまさに百花繚乱の姿を呈している。このように彩りに満ちた各地の食を味わうことができる幸せを、私たちは噛みしめたいものである。
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ラーメン特集!&ちょっと歴史。
前回のラーメン記事は、浜松市内中心だったので
機会があれば食べに行きたいなぁと思いましたが、
今回はご当地ラーメンですか( ̄▽ ̄)笑
個人的には「 ファミリーらーめんふるさと 」の
スタンダードな感じに惹かれます。
「 玉林園グリーンコーナー 」のてんかけラーメン&
コロッケ?は、ちょっと想像がつかない組み合わせ♪
和歌山ラーメンもおいしいですよね。
ラーメン記事に少し歴史を織り交ぜて紹介
されるところが、こちらのブログならでは!
徳川光圀公が日本で初めてラーメン食べた説?は、
さっそく 誰かに言ってみたくなるお話でした(*‘∀‘)
また、次回更新を楽しみにしております☆
投稿: 中山さと子 | 2015年5月17日 (日) 14時02分
中山さと子さん、
ラー食べ歩きは、チャンスを見つけて行ってみましょう。ただし、ご健康にはお気を付けて。徳川光圀時代を再現した「水戸藩ラーメン」は、水戸市内に数軒あるようなので、今回は時間の関係で駅からいちばん近い店にしました。
投稿: じょあん | 2015年5月17日 (日) 21時30分