30年の思い(1)
私が日本社会事業学校の研究科を修了し、特別養護老人ホームの「寮夫(当時の呼称)」として、初めて「老人福祉(当時の呼称)」の現場に職を得たのは、1985年5月7日、24歳のときのことだ。
それから30年。
時代は大きく変わり、いまや「介護」はさまざまな課題を抱えながら、日本社会の行く末を占う主題の一つになりつつある。
一人の現業員としての私の仕事のあり方も、この間に大きな変容を遂げてきた。
なかなか仕事が上達せず、失敗ばかり繰り返す無能な職員として、この仕事が本当に向いているのか自問自答していた、特養ホーム職員時代(24~31歳)。
部署が変わったことから、利用者本位とは何かを問い直し、職場の制約と現実のニーズとのはざまで悩みながら、本来あるべき仕事の形を模索していた、在宅介護支援センター職員時代(31~37歳)。
新たな制度に向けての準備、そして大きな変革への対応、激動の中で淘汰されないように必死で時の流れにしがみつきながら、自分を生かしていくための新たな突破口を探していた、居宅介護支援事業所(宮仕え当時)のケアマネジャー時代(37~39歳)。
事業所の中しか見えていなかった施設職員から、広く地域に目を向けるようになった在宅職員への転換という流れであった。地域の指導的立場であった同年代の他法人職員たちは、広く各地の業界仲間と活発に交流して、意欲的に情報交換をしていたが、私の場合は勤めていた法人の体質も影響して、鳴かず飛ばずの時期が長かった。
一つの大きな成果となったのは、この期間を通して法人の広報部門に関わっていたことであろう。文章を書くという技術を習得し、向上させたことは、その後の職業人生において、自分の流儀を特徴づけるものとなっていった。
(続く)
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