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2018年1月20日 (土)

ところ変われば...

去る13日(土)、島根県の安来地域介護支援専門員協会からご依頼をいただき、同会の研修会における文章作成講座の講義のために、安来市まで出向いてきた。

安来市と言えば「どじょう」の街。「うなぎ」の街である浜松からお邪魔することになったのも、何かのご縁であろう。

今回お招きいただいたきっかけは、同団体の会長を務めておられる宇山広さん(お仕事は小規模多機能型居宅介護の所長。以前は島根県介護支援専門員協会の副会長もされていた)とFacebookでのつながりができ、宇山さんが私のしょうもない駄文に目を留めてくださったことだ。事情はともかく、私のようにマイナーな講師から見れば、わざわざ遠方から出講のご依頼をいただくのは、ありがたいことである。

早朝に家を出て、新幹線で西へ向かい、岡山駅で伯備線の特急「やくも」に乗り換える。今回は残念ながら素通りであったが、岡山の方から教えていただいた三好野の「祭り寿司」を駅で購入。「極(きわみ)」と称する1,480円のお弁当はなかなか豪華。こんなときでなければ味わえない一品だ。

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乗り継ぎを含めると、電車に乗ること約6時間。安来は島根県の東の入口であるにもかかわらず、浜松からはたっぷりと距離がある。

安来駅に到着すると、宇山さんご自身がお迎えに来てくださった。本当は握手をしたかったのだが、私の両手は皮脂欠乏症に加えて「遠州のからっ風」の影響もあり、「あかぎれ」がひどかったので、ご迷惑になってはと思い断念。雪道の中、宇山さんのお車で広瀬町の会場まで向かう。15時から講義開始。

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演習を含めて三時間。おそらく安来地域のケアマネジャーさんたちの大部分は、社会人になってから「国語の授業」を受けることになるとは想像されていなかったのではないか。文章の出来次第で意図が伝わらないことも起こり得ることを例示しながら、簡単な国文法に踏み込んで、助動詞や助詞「てにをは」の使い方について解説。終盤では、単なる文章作成技術の向上で終わるのではなく、それを私たちの仕事の評価につなげていくことが大切であることを説いた。

研修会が終了したあと、駅近くで宇山さんと一杯。途中からは、遠路、大田市から駆け付けてくださった野際智紀さん(宇山さんの友人、同じく小規模多機能の管理者)が合流。野際さんともFacebookでつながっており、先年は東京で昼食をご一緒する計画もあったが、氏の予定変更により、お会いするのを逸したことがある。そのこともあり、三人で鍋を囲んだのは嬉しいひとときであった。

島根県は「アローチャート」の先進地域でもあるので、お二人はこの分野への造詣も深い。とは言え、それをどう使いこなすのか、考え方には人それぞれに差異も大きいようだ。お二人からは、学会などにおける研究成果積み上げとは別に、現場のアセスメントで誰もが使いやすいものをどう普及させるかの課題についても、検討が求められていることへの言及があった。「陸の孤島」である浜松のアローチャート自主勉強会「矢万図浜松」としても、大いに参考になるお話が聴けたと思う。

一夜が明けて、朝、ホテルの外へ出ると、昨夜から降り続いた雪景色。雪道用のブーツを履いてきたのは正解であった。

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チェックアウトした後、お二人のご案内で西へ。日曜日であったが、途中で宇山さんのもとに事業所のスタッフから相談の電話が入る。小規模多機能は臨機応変に対応できるメリットがある一方、包括報酬であるためどうしてもオーバーワークになりやすい。現実にはどの事業所も、運営にかなり厳しい面が出ているとのことで、安来市のような人口密度が少ない地域であればなおさら、遠隔地の利用者のためにどこまで対応するのか、悩ましいところであろう。

午前中に松江まで出向き、松江城近傍を見学。天守閣には昔登ったことがあるので、今回は時間の制約から割愛し、周辺の建物や武家屋敷を散策した。

この辺りの名所は江戸時代の遺構だけではない。城の近くには旧日銀松江支店の建物を活用した「カラコロ工房」なる場所もある。伝統と前衛とが交錯したユニークな空間だ。ファッションを軸に、グルメや体験コーナーもあり、地元の人も旅行者も楽しめる店がいくつも共存している。

昼食後、地元のキャンペーンをしている「お侍さん」たちにお願いして、記念写真を撮ってもらった。私の向かって左が宇山さん、右が野際さん。散策終了後、野際さんは好きなお酒を求めて別方向へ。

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安来へ戻る車中で、宇山さんが島根県の介護業界の現状をお話しくださった。他県同様に人材不足であるが、ケアマネジャーの研修指導陣にしても、いま中核になっておられる宇山さんや野際さんの世代である40代の方々が、その次の世代の人材を発掘するのが難しく、苦労されているとのこと。当・静岡県の状況に比較すると、かなり深刻かと受け止めた。この現状を国の政策担当者はどこまで実感し把握しているのだろうか。

いろいろな思いを巡らしながら、安来駅で宇山さんと別れ、帰路は再び「やくも」に乗り、岡山経由で新幹線に乗り換え、浜松へ戻った。

ところ変われば事情も変わる。静岡県や浜松市でも業界の課題は少なくないが、他の地域と比較参照することにより、別の視点からの知見が加わる。今回の目的は出講であったが、自分自身の学びの機会を持つこともできた、たいへん有意義な二日間であった。

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