18年目、進むべき道は?
一昨日(2018年8月17日)をもって、当所「ジョアン」は開業満17周年を迎えた。
これほど長く、一人親方としてケアマネジャーを務めてこられたのは、日頃から私の仕事のスタイルを理解してくださっている多くの方々のご支援のたまものである。この場を借りて、心からお礼申し上げたい。
ところで、17年にわたって続けてこられたのには、いくつかの要因がある。
まず、何よりも、私自身が健康でいられたこと。入院するような大病にもかからなければ、不慮の事故などに巻き込まれることもなかった。むろん、自分の健康管理だけで可能なわけではなく、私が幸運に恵まれたことにもよる。「運も実力のうち」の一形態なのかも知れない。
次に、ケアマネジャーの仕事の性格である。意外に思われるかも知れないが、ケアマネジャーは報酬(公定価格)こそ低いものの、他の士業士に比べると、経済的には安定した職種なのだ。歯科医師の先生とか司法書士さんとか税理士さんとか、確かに社会的な地位はケアマネジャーより格上であり、士業士として仕事をした対価はケアマネジャーよりはるかに高いのかも知れないが、当月の仕事がそのまま次月も継続するわけではないから、かなりの数の顧客を確保しておかないと、月々の安定した収入を得るのは厳しいのも現実だ。その点、ケアプランの数に応じて、介護報酬として毎月一定程度の収入が見込めるケアマネジャーの仕事は、それなりに安定していると言うことができる。
それから、地理的な条件。私の自宅は浜松市内でも中心部から北西寄りの郊外であるが、この地域の風土は保守的、誤解を恐れずに言えば新たな試みに対し「冷淡」であって、一人親方のケアマネジャーに仕事を頼むより、大きな施設や病院を頼って併設の居宅介護支援に「いろいろとお願いします」になってしまう住民が多い。そのため、私は最初から自宅開業では早晩ツブれると読み、浜松駅南に事務所を持つことにした。この計算が当たったことは、長期的な戦略の上で大きかった。駐車場所のない利用者さん宅へ、駅からバスに乗って出向くことができるのも利点である。
そして、周囲からの支援。特に最初の三年間、法人格を含め宿借りさせていただいた「特定非営利活動法人 浜松NPOネットワークセンター」さんと、有限会社に移行した四年目以降、格安価格で事務所を貸してくださったのに加え、折に触れ便宜を図ってくださった「カゼェルBIG」さんとの、ご両所には感謝の言葉もないほどだ。
最後に、自分自身の基本姿勢である。一人親方のケアマネジャーに対する関係者の評価はさまざまであるが、私自身がその世評に右顧左眄せず、利用者さん本位の仕事をする姿勢を貫いてきたことが、上記ご両所を含め、医療関係者や介護・福祉関係者から共感、信頼をいただき、利用者さんのご紹介や講演等のご依頼に結び付いたと考えている。もし私が自分の営利を最優先にして独善的な姿勢を取っていれば、最初は期待していた人たちからも見捨てられてしまったであろう。
さて、18年目に入ったわけであるが、これから進むべき自分の「道」はどこにあるのか?
年齢的な制約もあるが、もちろん、単純に引退モードへ入ることを考えているわけではない。自分自身の可能性を低く見積もってはいないのだから(笑)。
一年前に打ち出した「零細独立型居宅の連合形成」は一つの方向である。最近開業した地域のケアマネジャーたちと名刺交換する機会も得た。仮にその方向を目指すとしても、自分が「個」のケアマネジャーとしてどうあるべきかとの課題は常に付いて回る。
制度の変転も影響するため、簡単に予測できない面もあるが、これまでの路線をしっかり「継続」しながら、新たな道を切り拓いていくことができるのか?
いわば手探りの一年になるかも知れないが、目標を見失わないように日々の仕事に勤しみたいと思っている。
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