行き付けの店
仕事でもプライバシーでも、「長年のお付き合い」は大切にしたいものだ。
特に日用品や食品などの買い物については、誰しも「行き付けの店」があるだろう。買うものの種別にもよるが、食べ物は一度気に入ると、同じ店で続けて購入したり外食したりすることが多いのではないか。長く信用している店ならば、何よりも安心感が先に立つ。
私にもそんな店がいくつかある。持ち帰りの店のうちで、特に長く続いているのが「丸一魚店」である。地理的にはここよりも自宅に近い魚店もあるが、この店で買うのには理由がある。
それは、亡き母が30年以上にわたって、ここで海産物の食品を買っていたからだ。
もともと、いまの大店主の息子さん(当時の若店主)が、毎週木曜日、私の自宅付近まで行商に来るようになったのが、お付き合いの始まりである。その後、不運にも息子さんは若くして亡くなり、あとを承けて親戚の男性が店を手伝いながら、行商を担当してくれるようになった。母は木曜日になると、決まって行商の車のところまで行って、何品か買っていた。私が好きなものもいくつかあり、次第に「馴染みの味」になっていった次第だ。
そのうち、店の人も車を回して私の家の前まで来てくれるようになった。しかし、母が寝たきりになり歩いて出られなくなると、木曜日は私自身の営業日なので、行商のときに買うことができなくなってしまった。そこで、私が月二回程度、母がショートステイから帰宅するのを迎え入れる日に、この店(自宅と事務所の中間にある)まで立ち寄って何品か購入し、母と自分が好きなものを買ってきていた。
母が他界した後、購入するのは自分の定休日である水曜日、それも月一回程度に減ってしまった。家計の制約もあり、やむを得ないところ。それでもこの店は良質な海産物を市場で入手してくれるので、立ち寄れる日を心待ちにしている。水曜日は市場が休みだが、ハッピーマンデーの週は開場日なので、なるべくその週に合わせて予約購入している。
画像は4月のもの。カツオの土佐造りとヒラメの刺身。
こちらも4月。浜名湖のエビと富山湾のホタルイカ。太平洋側と日本海側との名産を一度に味わえる幸せ。
海産物は時期によって品目も違ってくる。いま、ちょうどカツオが終了したところで、きょうはメバチマグロの刺身を手に入れることができた。一年を通してときどき購入するのはタラ、サケなど。前者はソテー、後者はクリーム煮にして食べることが多い。冬は牡蠣が美味しい季節だ。これからカキフライやアヒージョを作るのが楽しみになる。
いま、この丸一魚店は高齢の大店主夫妻と中高年の娘さん夫妻とで経営している。もとサラリーマンだった娘婿さんが転身して何年にもなるので、後継としてすっかり定着した様子が窺える。
海産物も漁場の異変によって、これまで通りに獲れないものも出てくるだろうが、自分が行き来できる限り、これからもこの同じ店で、信頼できる品質のものを長く購入し続けたいものである。
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