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2020年4月

2020年4月27日 (月)

新型コロナ(5)-買いだめ現象はなぜ起きるのか?

前回より続く)

ウイルスの蔓延が始まって以降、頻繁に起きているのが、特定の物品の「買いだめ」→「品薄」現象である。

私が見聞きするだけでも、マスクに始まり、アルコール用品、消毒用品(界面活性剤・第4級アンモニウム塩・次亜塩素酸水など)、滅菌ガーゼ、ゴムひも、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、キッチンペーパー、米飯(レトルト)、パスタ、インスタントラーメン、納豆、介護用品(紙おむつ、使い捨て手袋など)、ベビー用品(沐浴ガーゼ・ベビー用おむつ・母乳パッドなど)、体温計、...etc。

マスクやアルコール用品の品薄はずっと続いているが、他の品々は入れ替わり立ち代わり、ある品が突然店頭から消え、それが復旧するころにはまた別の品がなくなる、といった事態が続いている。

その原因は複数考えられる。私は行動経済学の専門家ではないが、自分なりに整理、分析を加えてみよう。

第一は、「モノ不足」。現実にその物品が不足している場合。マスクやアルコール用品が代表例である。急激な需要の増加が供給可能な分量を大幅に上回り、まれにしか手に入らない状況を作り出している。過去のオイルショックの時期同様、買い占めを図る転売屋の行動が、それに拍車をかけた(現在、マスクの転売は違法になっているが、景品にするなどの脱法行為は見受けられる。アルコール用品はいまのところ合法なので、しばしば高額で転売されている)。

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第二は、需要の高まり。学校の休校処置を受けて、子どもたちが自宅で過ごさなければならなくなった。そのため、手軽に食べることができるレトルトの米飯や、パン、パスタ、ラーメンが一時期品薄になった。もともと供給量が不足してわけではないので、台風や豪雨の接近時のように、何日かを経た後、多くの地域ではもとに戻っている。

第三は、誤情報(デマを含む)。ティッシュペーパーやトイレットペーパーは、ネットで流れたデマが原因で、ある時期に突然、急速な買いだめが起こり、関連して紙おむつやキッチンペーパーまで品薄になった。また、納豆は「免疫力を高める」、使い捨て手袋は「感染防止に効果的」との誤情報(全く誤っているわけではないが、納豆を一時的に摂取しても、買い物の時間だけ手袋を使っても意味がない)がテレビなどで報じられ、限られた地域ではあるが、短期間の品薄が起きた。

第四は、メディアの影響(ミスリード)。滅菌ガーゼ、沐浴ガーゼ、母乳パッドは、コメンテイターたちの「手作りマスクに使える」との不用意発言が契機になり、本来必要としている人が買えなくなる事態となった。また、ペーパー類に関し、テレビで「空っぽの棚」の画像が繰り返し放映されたことにより、「あるうちに確保しなければ」と店へ走る人が増え、供給量は十分なのに物流が追い付かない日々が続いた。

第五は、「代用」。ノンアルコールの消毒用品は、(品目によっては、最近になってウイルス不活化効果が検証されつつあるが、当時は)ウイルス不活化の効果は薄かったり限定的だったりと言われていたのにもかかわらず、アルコール製品が手に入らない人たちが、手に入るものだけでも備えておこうと購入して、これらの物品まで品薄になっている。

第六は、「将来への不安」。前回紹介した(日本赤十字の)図にも示されているが、これが最も大きい要素であろう。上の五つのそれぞれと連動している。

「アクティブシニア」と称される元気な高齢者が、ドラッグストアやスーパーの開店前に列を作り、店が開くと同時に駆け込んで、トイレットペーパーやマスクをしっかり確保する。このような光景がテレビのワイドショーで連日報道され、異様な状況が続くことに不安を覚えない人がいたら、むしろ珍しい部類に属するだろう。

つまり、人は「これまで当たり前だった」ことが壊されていくのを見ると、自らが社会の一員である意識が後退してしまい、まずは自分や家族の生活を防衛することに専心するのである。

もちろん、そこで「公益のために」我慢する人もいるだろうが、そういう高潔な人は少ない。過半数の人はたとえ人から「恥知らず」だと思われようが、将来のために備蓄する。周りの人と同じことをしておかないと自分が不安になるので、「みんなそうしてるだろ?」が錦の御旗になってしまう。ネットで指摘されてようやく気が付き、ある程度自制する人は結構いるだろうが、それまではなかなか買いだめ行為をやめない。

だから、マスクが入手できなければ自分で作れば...と、メディアのご丁寧な指南を受けた高齢者や中高年が、マスク作りのために確保しておこうと、臆面もなくベビー用の沐浴ガーゼを買い漁る現象が起きるのだ。疾患のため療養中(特に手術後)の人たちにとって必須の滅菌ガーゼが、ドラッグストアの棚から消えてしまう現象も同様である。

そして、買いだめした人がいざ施設入所とか療養入院とかのため、家を離れたあとになって、トイレットペーパーが100ロールも発見されることも起こり得るだろう。

将来への不安がそうさせる面は大きい。

この「不安」が一線を超えると、さらに深刻な事態を生じることになる。

次回へ続く)

2020年4月23日 (木)

新型コロナ(4)-人の心を脅かすウイルス

前回より続く)

今回から、新型コロナウイルスが社会にもたらす害...と言うより、このウイルス蔓延を機に表れてしまった、私たちの中に潜んでいる問題について、何回かに分けて提起したいと思う。

まず、日本赤十字社が3月下旬に公開した下の図を見ていただきたい。

Photo_20200422173401

「3つの感染症はつながっている」と題されている。医学的な疾患である「病気」、心の病の一種とも表現できる「不安」、そして、社会的な病気と表現できる「差別」である。

今や、日本に限らず、感染が拡大している世界の各地で、これらの三つが悪循環となって拡大している。図の右上には赤地に黒字で「負のスパイラルで感染症が広がる」と警告されているが、これがいまの社会の「現実」になってしまった。

ただし、第二の感染症とされている「不安」は、かなり多岐にわたる。単に「ウイルスを心配する」だけではなく、「情報を的確に活用できない」「仕事が続けられるか不安だ」などの思念、さらに、デマを信じてしまう、目先の利益に惑わされるなどの賢明でない行動、加えて、逆説的であるが、自粛に疲れて不要不急の外出をする、自分は大丈夫だと過信して振る舞うなどの逸脱的な行動も、広義の「不安」に分類される。

また、第三の感染症である「差別」も、感染者や、感染しているかも知れない個人・所属組織への差別にとどまらない。医療従事者をはじめ、介護、福祉、保育、そして物流の業務に携わり、ウイルスと戦う最前線に身を挺している人たちや、日本に滞在する外国人(特に発祥地の国や感染者が多い国)たちに対しても、深刻な差別が根を張りつつある。

あえて言えば、この事態の原因は新型コロナではない。むしろ、これまで隠されていた病理が、ウイルスの蔓延によって噴き出してしまった現象だと表現することができる。

それでは、「不安」から起きていることについて、微力ながら分析を進めていこう。

次回へ続く)

2020年4月20日 (月)

新型コロナ(3)-感染はどのように広がるのか?

前回より続く)

新型コロナウイルスにより風邪、さらに肺炎を発症させないためにはどうするか?

一言で言えば、身体の中に入れないことだ。

もちろん、身体の中に入れてしまっても、免疫力が高ければ無症状で済む人も少なくない。しかし、可能な限り、中に入れないのに越したことはない。

このウイルスは、他のウイルス同様、宿主である生体「人」がいなければ、時間はともかく自然と死滅する。つまり、生きているうちに人の身体に宿るから、そこで増殖するのだ。

そして、すでに述べたように、感染の大部分は接触感染または飛沫感染である。環境次第で、空気中に微粒子となって漂って滞留することによるエアロゾル感染(<空気感染)もあるが、換気の良い場所であればすぐに四散してしまい、ほぼ感染しない。接触または飛沫により手に付着したウイルスが口、鼻、眼の中に入ると、そこから感染が始まる。

たとえば、自分が潜伏期間であることに気付いていないAさんが、マスクを着用せず電車に乗り、クシャミをした飛沫が手すりに掛かってしまう。そのあと手すりを握ったBさんが、その手で目をこすって感染する。そのBさんと翌日食事をともにしたCさんが、Bさんが会話したとき微量の唾液が隣に居る自分の料理に掛かったのを知らずに、食べてしまって感染する。そのCさんの子どものDさんが、Cさんの汚染された手で触れた家具に触り、その指で鼻の内側が痒かったので掻いてしまい感染する。そして...と、こんな具合に広がっていく。

だから、感染拡大を防ぐためには以下の行動を取る。

(1)手洗いやうがいをする。ウイルスが口や鼻や目に入らなければ良いのだから、ウイルスが付着した手を石けんなどで洗い流したりアルコールなどで不活化させたり、唇や歯に付着したウイルスをうがいで漱ぎ落としたりすれば、感染する可能性は減る。

(2)密集・密接・密閉の場所を作らない。イベントや集会やパーティーに参加すれば、仮に潜伏期間の感染者がいた場合、接触感染や飛沫感染の機会が増える。すなわち、その場が集団感染を引き起こす「クラスター(原義は花の「房」)」化してしまう。人が集まる予定そのものを中止するのが最も望ましいが、必要があって開催しても参加者がマスクを装着し、隣の人と2m以上の距離を取って、屋内ならしばしば換気するなどの対策を採れば、感染が広がる機会は減る。

(3)不要不急の外出や移動を避ける。やむを得ず移動する場合にも、なるべく公共の交通機関を使わない。在宅業務(テレワーク)が可能な業種ではなるべく導入してもらう。予防のためにも、また、万一自分自身が潜伏期間であった可能性を考えると、他人に感染させないためにも、外出や移動を最小限にすることで、感染が広がる機会は減る。

裏を返せば、いま日本や欧米諸国などで感染拡大に歯止めがかからないのは、この三つの原則が十分に守られていないからである。

その中にはもちろん、院内感染など不可抗力のものもあるだろう。どんなにマスクや防護服を用意しても、感染力が強いこのウイルスは、わずかな隙間から侵入する(ウイルスが自分からピョンピョン動くわけではないが、隙があると人体へ入っていく機会をつかみやすい)。最前線で戦ってくれている医療従事者に、四六時中気を張り詰めているように求めることが間違いだ。

しかし、感染拡大の大部分は上の(1)(2)(3)を守っていれば、避けられたと考えられる。(1)は個人の日頃からの生活習慣も影響するが、(2)と(3)とは意識して抑制すれば可能なのだ。

クルーズ船「ダイヤモンド-プリンセス」での集団感染が連日報道され、また2月末から3月上旬にかけて、政府が公立学校の一斉休校を要請したことにより、多くの国民はこのウイルスが厄介なものであることを認識したと思う。しかし、感染の爆発的拡大が抑えられていたので、3月中旬から人々は「大丈夫でしょ?」との錯覚に陥った。そして3月20~22日の三連休で、繁華街での飲食や行楽に多くの人たちが繰り出した。その結果、二週間を経過して、感染拡大が止まらない状況になってしまったのだ。

しかも、国や自治体が繰り返し自粛を呼び掛けたのにもかかわらず、首都圏・関西・筑紫方面から地方へ帰省したり旅行したりする人が結構見られた。その人たちが立ち寄った場所や接した人から感染が拡大した地域がいくつも見られる。若者も、中高年も、高齢者も、一部の人たちを除いて、かなり危機感が薄かったと言わねばならない(帰省しないと生活が成り立たなかった学生などは例外だが)。

首都圏について見聞きするところによると、渋谷や新宿の繁華街こそ人出が大幅に減っているが、昨日の吉祥寺商店街などの画像を見る限り、自粛で他に行き場所がない人たちが、相変わらず密度の高い状況を作ってしまっている。報道ではおそらく、「こんな人たちが...」と強調したい部分を切り取るので、実際には通常の週末よりかなり減っただろうし、生活必需品を購入するためやむを得ず来た人も多いだろうが、中にはただの遊びや「昼飲み」に来た人もいることが報じられている。江ノ島や鎌倉まで、他県から行楽へ出向いた人たちも少なくない(報道されたのはあくまでも一例なので、他の地域の他の町でも、類似したことが起きていると思われる)。

このウイルスの感染力は、5人のうち4人が自粛しても、1人の不用意な行動が(もし、その人が無症状の感染者だった場合には)新たな10人の感染者を作るレベルなのだ。もし甘く考えていると、一週間、二週間先が憂慮される。

他方、3月22日に「強行開催」されたK-1では、会場のさいたまスーパーアリーナに6,500人の観客が詰め掛けたので、席の間を広くし、アルコール消毒も完備し、かつ、将来感染者が出た場合に経路をたどれるよう全観客に記名を義務付けたという。いまだにこのK-1から感染者が出たとは報じられていない。偶然、潜伏期間の人が一人も居なかった可能性もあるが、もし、このまま「クラスターにならなかった」状況で経過すれば、慎重に準備され統制されたイベントであれば開催可能との前例になるかも知れない。

日本の法制度は欧米の多くの国と異なり、行動制限を強制することはできず、逆に補償する制度もない。緊急事態宣言が出されたことにより、国民が行動を変容して感染拡大を防げるのか? 私たちの自覚が問われている。

ところで、この感染拡大がもたらしているのは、疾病だけではない。それについて触れてみよう。

次回へ続く)

2020年4月15日 (水)

新型コロナ(2)-蔓延はどのように経過したのか?

前回より続く)

ここ10日余りの間、自分自身の主任介護支援専門員更新研修受講の書類準備、そして主・キリストの復活に際しての黙想(毎年行っている主日のミサは、洗礼式に臨む人など限られた人数のみとなり、私たちは参列できなかったので、自宅で霊的な本を読んだり、映画を見たりしながら黙想した)と、多用であったため、エントリーが空いてしまった。

新型コロナウイルスの蔓延に関しては、現在進行中の事案でもあり、何回かに分けて述べていくつもりである。

今回は、感染がどのように広がったかをまとめてみたい。すでに皆さんにはご存知のことだが、いま世界で起きている現実を「おさらい」の意味で整理してみよう。

このウイルスは中国の武漢で昨年11月に発見され、12月上旬にはこの病原体により肺炎になった患者が出た。野生動物から海鮮市場を介して感染した説が有力であるが、異説も存在するので、正確な事情は判明していない。中国政府がWHOに報告したのは12月31日であり、すでに大幅な初動の遅れがあったが、年が明けて1月7日に「新型コロナウイルス」であると特定されたころには、武漢市全体、さらに中国全土へと、瞬く間に蔓延した(なお、中国の国際的な責任についてはさまざまな意見があるが、それについては改めて論じたいと思うので、ここでは割愛する)。

そして、1月中旬にはアジア各地で、下旬には欧米各地で感染者が発見され、その強い感染力によって世界中に拡散、2月中旬には事実上のパンデミック(=世界的流行)状態になった(WHO=国際保健機関がパンデミックと認めたのは3月11日)。欧州ではイタリアやスペインをはじめ、いくつもの国で感染爆発に歯止めがかからず、医療崩壊を来たした。また、それほどでなくても、死者の割合が多い国々を中心に、罰則を伴う外出制限を国民に課さざるを得なくなった。米国でもニュー‐ヨーク州を中心に事態は深刻化し、医療崩壊が起きている。他方で、火元の中国では、感染拡大が緩和したと報じられ、(いまのところ)爆発に至る状況は回避されている。昨4月14日現在、世界全体の感染者数は190万人超、死者は12万人超である。

日本では、1月16日に初の感染者(滞在中の中国国民)が確認され、その後何人かの感染を経て、政府が1月27日には指定感染症と定めた。2月には横浜に入港したクルーズ船「ダンヤモンド‐プリンセス」の船内での集団感染が判明、厚生労働省が対応に追われた。船から降りた元乗客も含め、さまざまな媒体を経由して感染が全国各地へ広がりを見せる2月下旬、政府は公立学校の一斉休校を要請するなど、感染爆発の回避を図り、3月中旬には一時、感染拡大が緩慢になった。しかし、3月20日以降の三連休の人出を契機に、月末に至って再び蔓延が起こり、感染者数が連日最多数を更新する事態となった。そこで、4月7日には政府が7都府県を対象とした緊急事態宣言を発し、国民には各自治体を通して、不要不急の外出やイベントの自粛、在宅勤務の促進、人が集まる店舗の休業等を要請するに至っている。4月14日時点で、感染が確定した症例の人数は8,000人超、亡くなった人数は162人である。

それでは、今後、社会で感染拡大を予防するために、私たちがどう行動すべきかを考えてみたい。

次回へ続く)

2020年4月 1日 (水)

新型コロナ(1)-どんなウイルスなのか?

今年、2020年は「庚子」、つまり変革の歳である。

ところが、人間が主体的に何かを変えていく前に、年初から「新型コロナウイルス」が世界中を席巻してしまった。

このウイルス、当初は正体不明の脅威であったが、感染症例が増加していくに連れ、いろいろな特性が判明しつつある。私たちの予防や治療の方向も、その成果を踏まえて日進月歩している。

それでは、一般に知られている特性はどんなものだろうか? 整理してみよう。

・すでに存在するコロナウイルスの一種である。

・このウイルスが感染すると、まず風邪の症状、人によっては重症肺炎の症状をもたらす。

・二日から二週間の潜伏期間がある。

・PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)等の検査によって感染(陽性)が判明する。ただし検査の厳密な精度には課題が残る。また、ひとたび感染していない(陰性)と判定されても、偽陽性のため後日感染が判明することもある。

・初期症状の一つとして、味覚や嗅覚に異常が生じることがある。継続したり他の症状が合わせて感じられたりする場合には、新型コロナかも知れないと疑う。

・熱発があるか、風邪の症状が4日続いたら、相談センターに連絡する。医療・介護従事者など、免疫力が低い人に接触する人は、さらに早めに主治医へ電話等で相談する。

・医療機関へは事前の相談なく行かないようにする。

・若い人・健康な人など免疫力の高い人は、約80%が無症状、または軽症である。

・高齢者や持病がある人を中心に、約20%は入院を要するほど重症化する。

・状態は数時間で急変することがあり、約5%の人は人工呼吸器、場合により人工心肺の装着を要するまで重篤化する。

・約0.7%(1,000人中7人)は死亡する。

・葬送の制約は病院や自治体の判断により異なるが、少なくとも故人の遺体に近接した告別は不可。斎場での会食もできないと思ったほうが良い。

・重篤化した5%のうち、命を取り留めて社会復帰できた人も、呼吸器等に障害が残り、これまで通りの仕事が難しくなる場合が多い。

・感染して治癒すれば、一定期間は免疫ができる。

・治療薬やワクチンはまだ開発されていない。

・インフルエンザ治療薬やHIV治療薬の一部が有効とされ、日本でもすでに一部の医師の慎重な判断により緊急的に投与される一方、転用へ向けての制度化が進捗している。

・ウイルスの感染経路は接触感染、または飛沫感染であり、空気感染の可能性は未確認だが、まれにエアロゾル感染が起きる可能性がある。

・紙に付着した場合、ウイルスの生存期間は2日未満である。

・プラスチックに付着した場合、ウイルスの生存期間は5日未満である。衣類等は部位の材質にもよるが、もう少し短い。

・最大の予防は手洗い。洗っていない手で口・鼻・目を触らないように気を付ける。

・粘膜から感染するので、うがいをしっかり行うのも大切な予防策。

・マスクは自分が他人に感染させないために推奨されるが、防衛的な効果は限定的。咳やくしゃみはマスクに限らず、ティッシュ(すぐに捨てる)または「肘の内側」(当分、他のものに触れない部位)を口に押し当てたほうが、「うつさない」予防には有効な場合がある。

・ドアノブ、窓の取手、照明のスイッチ、テーブルや椅子、電話など通信機器のボタンや握る部分、パソコンのマウスやキーボード、冷蔵庫・調理器具・洗濯機などの毎日扱う箇所、水道の蛇口やレバー、便器のふたや水洗レバー、等々を消毒したほうが良い。

〔改訂;この部分に記載してあった消毒に関する記述は、5月31日時点での知見に基づき、別のエントリーにまとめたので、そちらを参照されたい〕

・食品を十分に加熱調理すれば、ウイルスは死滅する。

・衣類を十分に煮沸すれば、ウイルスは死滅する。

いろいろ思い付くままに、関連する項目をつなげながら、ダラダラと羅列してしまったが、いま判明している特性を挙げると、まずはこんなところだろうか。

あくまでも「私がこう理解している」ものであり、正確な疫学的な知識によりまとめたわけでも何でもないので、読者の方には概括する際の参考程度にしていただき、個別の項目の妥当性は各自の責任で判断されたい。もし明らかな誤謬があれば、遠慮なく指摘していただけると幸いである。無責任な風評に加担する意図は全くない。

さて、それでは、このウイルスの蔓延が始まってから、世間では何が起きているのかを、いくつかの事象に分類して、私見を述べてみたい。

次回へ続く)

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