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2020年8月23日 (日)

いま、将棋界が面白い!

むかし、銀行勤務のしがない勤め人だった父は、将棋のルールを覚えたころの私のために、支店で古くなって処分する新聞の将棋(棋譜)欄を切り抜いて、持ち帰ってくれた。家を建てた1970年の初め(私は小学4年生になるころだった)から、数年間は続いたと記憶している。

将棋界に関心を持ち始めたのはそれ以来だ。実際に他人と指した経験は乏しく、現代風に表現すれば「観る将」である。しかし、日本の伝統文化について言えば、スポーツなら大相撲のファンであっても、実際に自ら相撲を取る人は少ないだろうし、演劇なら歌舞伎のファンであっても、実際に自ら歌舞伎を演じる人はほとんどいないだろう。盤上遊戯の将棋で同様なスタイルがあっても、何ら差し支えない。

そして、本格的なネット社会の到来により、かつては見ることができなかったタイトル戦の対局風景も、Abema TVなどの手段で視聴することが可能だ。すでにエントリーした通り、私はむかし浜松で開催された大番解説会に一度だけ出向いたことがあったが、いまやスポーツや演劇と同じく、一流どころのパフォーマンスを中継で楽しむことができるようになった。かつてはタイトル戦終了後に新聞で棋譜を見ていた「観る将」にとっては、劇的な変化を遂げた半世紀なのである。

その「五十年来の観る将」の個人的な感想。

1970年は大山康晴(1923-92。なお棋士は故人か存命中かにかかわらず、敬称略。以下同)の全盛期で、五冠すべてを独占しており、その牙城を誰が崩すのかが注目の的であったが、まもなく中原誠(1947-)が大山から二冠を奪い、新時代の到来を思わせた。その後はタイトルが増えたこともあり、中原、米長邦雄(1943-2012)、谷川浩司(1962-)がタイトルの過半を同時に保持するが、全タイトル制覇には至らなかった。羽生善治(1970-)が1995年に七冠すべてを制覇したのは、実に大山以来の偉業だったのだ。

70年当時の観戦記では、大豪(本来の用字は「大剛」)、強豪などの表現が使われていた。

・大豪 → 大山、升田幸三(1918-91)、また中原は70年代半ばから大豪と呼ばれる。

・強豪 → 二上達也(1932-2016)、山田道美(1933-70)、加藤一二三(1940-)、内藤国雄(1939-)、のち米長など数名が加わる。

タイトルを何か取れると「強豪」、一時代を築けば「大豪」と称されたようだ。観戦記者によっても表現が異なっていたから、明確な定義も何も存在しないことを、誤解なきようにお断りしておく。

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しかし、これを半世紀後の現代にそのまま当てはめるわけにいかない。タイトルの数も八冠に増えて、多くのタイトルを兼位し続けるのが難しくなった反面、羽生一強時代の終焉(2016年前半)により、中堅・若手棋士がタイトルを獲得する機会は増え、一回だけ手が届いて翌期には失冠した棋士も数多く存在する。50年前に比べ、「大豪」の定義は少し甘く(広めに)、「強豪」の定義は少し厳しく(狭めに)規定しても良いだろう。

そこで、全く私の主観であるが、2016年度以降を基準に、「タイトルを三冠以上同時に、かつ二冠以上を継続的に保持した」棋士を大豪、「タイトルを複数同時に保持した」か、または「タイトルを(一度でも)防衛できた」かの、いずれかを満たした棋士を強豪とした場合、以下のようになる。

・大豪 → 羽生、★渡辺明(名人・棋王・王将。1984-)。

・強豪 → 久保利明(1975-)、佐藤天彦(1988-)、★豊島将之(竜王。1990-)、★永瀬拓矢(叡王・王座。1992-)、★藤井聡太(王位・棋聖。2002-)

そして、★印を付けた四人が現タイトルホルダーであるから、俗に「四強時代」とも称されるゆえんだ。もちろん、四強以外の若手や、羽生を筆頭とするベテランの実力者も、黙って見ているわけではない。四者の一角を崩し、タイトル戦線に食い込んでいくことを虎視眈々と狙っている。とは言え、八人の棋士がタイトルを分け合うほど分散した、2017~18年の大乱立時代と比較すれば、少しく「統合」されて、「雄峰並び立つ」時期に差し掛かった感がある。

いま最も注目されている「最年少二冠・最年少八段」の藤井が、一つ、また一つとタイトルを増やしていくのか? それとも、渡辺をはじめとする先輩棋士たちが厚い壁になるのか? しばらくの間は、将棋界から目が離せない。

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