アイウエオ順が好い
幼稚園から高校生のホームルームまで、クラスの出席番号は常に「アイウエオ順」だった。私の名字は冒頭「あ」の次が「わ」なので、同じく「あ」で始まる同級生が何人か前におり、二番目から五番目の辺りで変動してきた。
若い番号だったから、「前の席」になることも多かったが、逆に幼少時からそれが当たり前になっていたので、特に抵抗もなく慣れっこになってしまった。
社会人になってからは、あまり「アイウエオ順」を意識することもなく過ごしてきた。宮仕えのときも名簿の並びは所属部署の順番によるものであったし、開業してからは職能を代表して会議に参加することも増えたが、所属団体や役職で順番が決まったので、それを反映した席次にそのまま順応すれば良いだけの話であった。
ところが、県のとある公的な円卓会議で、20名以上のメンバーのうち、私の席が議長の二つ隣になったことがあった。私が代表する団体がその会議に参画したのは、遅いほうから一、二番目であったから、議長から最も遠い席が妥当だと思っていたのだが、この会議に関しては「アイウエオ順」だと説明された。議長の両隣は古参の団体役員(お名前が「あ」の前半で始まる方)と県会議員(お名前が「や」行の方)だったので、なおさら座りが悪かった。
しかし、団体間の格や地位に固執するのでなければ、「アイウエオ順(またはアルファベット順)」の並びが最も使い勝手の好い配列に違いない。「年齢順」も物議を醸すし、「団体が参画した順」だと団体同士の力関係の格差がある場合(あとから参画したほうが有力団体のような場合)は空気が微妙であり、「列席が古い順」だと、同じ団体から以前の在任者が再任され出戻った場合はどうするのかなど、解釈が難しい点が残る。「アイウエオ順」をあらかじめ示されてあれば、その会議に古くから参画している団体の代表者が「あともの」に対して、「あいつらよりウチの団体のほうが、むかしからこの件に協力しているのに」と怒ることもない。何回かその会議への出席を重ねるうちに、いまさらながら便利な面に気が付いた形だ。
そこで、私自身、複数の対等の人たちに宛て、連名にしてFAXやメールなどを送るときには、この順番を明記するようになった。
(例)
足利 義昭 様
織田 信長 様
徳川 家康 様
豊臣 秀吉 様
(アイウエオ順)
これならば、メールを受信した豊臣さんから「徳川君って、ン年前にはオレの部下だったんだぞ!」などと苦情を言われたり、不快感を持たれたりすることもない。これに文句をつけるのは、自分のバカさ加減をさらけ出すのと同じだから。
ただし、送信する現在の時点で同じ組織の上位-下位の関係にある場合は、(内容にもよるが)順番に気を遣わなければならないが。
逆に、他の複数の人たちと連名でFAXやメールを送るとき、こちら側の名前はこんな具合に記載する。
(例)
大久保 利通
木戸 孝允
西郷 隆盛
(以上、アイウエオ順)
粟倉 敏貴
自分の名前だけ末位にしているのだ。
最近、この書法が私の流儀になっている。読者のみなさんも参考にされたい。
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