ようやく開講して思ったこと
以前のエントリーで、おもに介護従事者を対象にした「オンライン文章作成講座」を予告したが、あれこれと用事が重なったことにより、準備に時間が掛かってしまい、ようやく開講にこぎつけた。
全五講(各一時間、質疑応答時間もあり。受講料は一講につき1,500円)。11~12月に掛けて第一巡目を実施し、そのあと約一年余りの間に、何巡かローテーションで回していく。日本語の基本が短期間に大きく変わるものではないので、おおむね同じ話を何回も繰り返すことになる。詳細は私のHPをご覧いただきたい。開講情報は逐次更新していくつもりだ。
まだ申込者はお二人。そのうちお一人は第二巡目以降を希望されているので、第一巡目はいまのところお一人だけである。11月29日の第五講、そのお一人の方とマンツーマン状態で、記念すべき最初の講話をした。ちなみにこの方は、2011年の自費出版冊子「作文教室」を購入してくださって以来の知人であり、2018年に私のほうがお住まいの県まで出向いて、初対面を果たしている。4~5月にオンラインで準備講話を実践した際にもご協力いただいた。感謝!☆
文章作成講座とは言え、一般向けの「国語教室」ではなく、介護従事者向けにいろいろな方が開講されている「記録方法の指導」でもない。私たちの業界ではいまだ類例の少ない「産業日本語」の講義である。足元には私たちが守るべき職業倫理である「利用者本位」の底流があり、その上に立って私たちの大切な言語である日本語をどう理解し、どう活用するべきかを論じているものだ。
私自身はこれまで、書き言葉のみならず、話し言葉についても語る機会をいただき、多くのケアマネジャーや介護職員の前で、顧客である利用者やそれを支える介護者を尊重すべきことを力説してきた。これは、すでに折に触れて何度も述べた通り、私の若い時代の恥ずかしい行為(当時勤務していた施設の複数の利用者さんに対する、虐待に類する言動や侮蔑する言動)への痛切な反省を踏まえている。下の画像はこれらの講話の根幹部分と称するべきスライドである。
そして、一人ひとりの職員が利用者に向き合う姿勢は、会話(口のきき方)にとどまらず、文章にも表れる。顧客である利用者や介護者に対する深いリスペクトが窺える文章は、おのずから品格を備えていることが多い。
もちろん、どれほど人間の尊厳を重んじる立派な介護従事者であっても、国語の力は意識して修得しなければ上達しない。日頃から「書くこと」「綴ること」をいとわずに、学習→実践→学習→実践を繰り返してこそ、その意図するところが読み手にしっかり伝わる、良い文章の書き手になることができる。
日頃から向上心をお持ちで、国語力を身に着けたい介護関係者の方は、ぜひ私の「オンライン文章作成講座」をご聴講いただきたい。
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