ヴェルディ歌劇の面白さ(18)
例年の通り、10月から年末にかけ、購入または録画したヴェルディのDVDやBDを鑑賞している。
昨年のエントリーでも記述したが、ヴェルディの歌劇の中で展開されるドラマは、現代社会が抱える多様な問題に通じるものがあり、一つひとつの作品が訴えかける主題は重い。
鑑賞するのは月に5~6作品。前期までの作品はセレクト、中期(「リゴレット」から「ドン‐カルロス」まで)以降はすべての作品を、作曲された順に視聴している。今年は比較的古い演出のものを中心に並べてみた。とは言っても、2000年前後からあとのものがほとんどだ。
中でも好きなのは「シモン‐ボッカネグラ」2007年ボローニャ(テアトロ‐コムナーレ)版である。
ミケーレ‐マリオッティが指揮した歌劇の代表作の一つ。演出はジョルジョ‐ガッリオーネ。歌手はロベルト‐フロンターリ、ジャコモ‐プレスティア、カルメン‐ジャンナッタージォ、ジュゼッペ‐ジパーリ、マルコ‐フラトーニャと、イタリア人キャストを中心に実力派が揃っている。重厚で聴き応えのある名演と言って良い。
このほか、「運命の力」2008年版ヴィーン版ではサルヴァトーレ‐リチートラ、「オテロ」は2012年メトロポリタン版ではヨハン‐ボータと、若くして世を去った名テノールたちの雄姿を眺めつつ、彼らの早過ぎる死を悼みたい。事故や病気に遭わなかったら、まだまだ活躍できたのに...と残念な思いだ。
コロナ禍や個人の経済的な事情もあるが、身体面からも、東京や名古屋などの劇場まで往復した上、長く同じ姿勢を保って鑑賞するのは、次第に厳しくなりつつある。もちろん、機会があれば実際の舞台へ足を運びたいとは思っているが、当面は自宅でのヴェルディ三昧になりそうである。
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