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2023年11月

2023年11月29日 (水)

許されざる行為

当県の社会福祉法人を舞台に、お金をめぐる大きな事件が起きた。

静岡市清水区で特別養護老人ホーム(介護福祉施設)B施設を経営する社会福祉法人の前理事長Sが、自分の部下ということになっている高校の先輩Kが経営する企業の口座に、法人の資金を還流させて横領したとされるものである。

このKが大物タレントM氏の夫(事件発覚後に離婚)であったことも、大きな話題となっている。

Sは元警察官だと報じられた。いかなる事情で社会福祉法人の理事長に選任されたかわからないが、他県も含め複数の法人で経営者を歴任している。Kは清水区の社会福祉法人で「会長」を自称し、後輩であるSを支配下に置いて、法人の資金を私的に流用していたと考えられる。

私たちの常識によると、B施設を含めた特別養護老人ホーム(介護福祉施設)では、その大部分が限られた介護報酬の中で、工夫に工夫を重ねながら財政をやり繰りしている。決して豊かな内部留保があるわけではなく、繰越金を確保していくことにより、次年度以降の経営ができるように努めている。よほどの金満家(個人・企業)でもバックについていない限り、現在提供しているサービスの水準を維持するのに四苦八苦しているのだ。零細なコミュニティビジネス(筆者など)に比べればかなり水準は高いものの、職員の給与は他業種から見れば平均値を下回ることが多い(今回はその給与さえ適切に支給されなかったことから、事件が発覚した)。

しかし、事情を知らない一般市民が、この記事を見聞きしてどう思うだろうか?

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「介護事業って、お金のあるところにはあるんだろ? もうかる人がいるのなら報酬を増やさなくても良い。私たちの介護保険料や税金だって、そのために上げてほしくないよね!」

こんな印象を持つ人たちが少なくないのではないか。

最近、介護従事者が利用者を殺傷、虐待して逮捕される事案が増えているから、市民たちは「不良介護職員」への憤りを強めているであろうが、まだこれらは「個」の職員による行為であるから、私たちは「介護に不向きな人が起こした事案であり、大部分の職員は適切なケアのため勤しんでいる」と弁明することができる。しかし今回の事件のように、組織を舞台にした事案は、市民感情を直撃することになる。

KとSの愚行が、介護現場で働く人たちに対する世論を歪めることになったとしたら、こんな理不尽はない。まさに許されざる行為であろう。

一度失われた業界の信用を取り戻すために、どれほどの時間が必要になるだろうか。

2023年11月25日 (土)

しょーもないケアマネをグループワークでどう料理するの?

いささか物騒な題名であるが、これは2009年、静岡県介護支援専門員協会のとある研究会に参加した際に、「困ったケアマネジャーさんって結構いるよね」みたいな話になったので、筆者がトリセツ(?)を作ってメンバーに示したものだ。

14年前の発題だが、いまでも十分通用すると思ったので、若干の校正を加えて再現したものである。

もとは表形式になっているが、ブログのエントリーにアップしにくいので、枠を取り払って箇条書きにしてみた。いささか長くなるが、ご笑覧いただきたい。

◆「確信犯的」囲い込みケアマネ
 ・定義:悪意で囲い込みをやるのではなく、逆に本人は善意のかたまりで、自分の所属先のサービスが至上であると信じている。そのため他法人のサービスは安心して位置付けられないから、紹介しない。
 ・処方箋:自法人を客観視できるためのトレーニングが必要。たとえば地域の各デイサービスに対して、機能訓練とか入浴介助とか、それぞれの部門について地域のケアマネジャーから匿名で点数を付けてもらい、皆で比較してみる。自法人の事業所だけが至上ではなく、利用者のニーズに適するサービス調整が大切であることを、参加者が共有できる場を作る。

◆コピペ‐ケアマネ
 ・定義:サービスがいつもワンパターン。課題分析は一応やるものの、視野が狭いのでそこから複数の解決手段を選択する段取りができない。「二言目にはリハビリ」「詰まるところはデイサービス」の人たち。
 ・処方箋:当人が初級者であることをズバリ指摘する。より具体的には、ケアプラン作成演習などの場で、課題分析からサービス提供に至る一連の流れを振り返る作業を何度もやってもらうしかない。ただ、一人だけ凹むと雰囲気が悪くなるので、グループで課題を共有する流れを作るのが好い。利用者の一つの課題に対する解決の選択肢が多岐にわたることを、メンバーが常に確認し合うように、意図的に仕向けていく。

◆一品料理ケアマネ
 ・定義:利用者や家族から希望されない限り、一品サービスだけ利用に結び付けて、それで責任が果たせたと思っている。給付管理が成立してしまえばお金になるので、ニーズの掘り起こしが面倒になり積極的に行わない。
 ・処方箋:たとえば、ケアマネジャーや介護サービス職員がニーズの確認を怠ったために、刑事事件で警察の事情聴取を受けたり刑事責任を問われ(疑われ)たりした事例を研修で取り上げ、「かえってお金も名誉も失うかも...」と、リスクマネジメントの見地から危機感を持ってもらうのも一策である。

◆なんちゃってケアマネ
 ・定義:「一応」ケアマネジャーになってはいるが、片手間仕事の意識が強く、自分がケアマネジャーだというアイデンティティを持ち得ない。
 ・処方箋:現場で実務に就く以上、責任感を持って仕事をすることの大切さを認識させる。グループスーパービジョンのロールプレイで、「この種のケアマネにケアプランを立ててもらう立場の利用者」の役をやってもらうのも一案である。

◆「オレオレ症候群」ケアマネ
 ・定義:利用者の課題を解決しようという思いが強過ぎると、自分が、自分が、と、どんどん前に出てしまい、利用者のほうが引いてしまう。
 ・処方箋:ベテランの社会福祉士(威厳のある人!)を指導者として登場させる。バイステックの7原則のうち、「統制された情緒的関与」「意図的な感情表出」の二点をテーマにソーシャルワークの演習を行い、自己覚知を試みる。

◆昔の名前で出ています♪ ケアマネ
 ・定義:かつては地域のケアマネジメントを担う指導的立場にあったが、いまは主流から外れているのにもかかわらず、いまだに業界の指導者だと自任している。
 ・処方箋:気持ち好く振る舞ってもらえば良い。かつて地域で功績があったことは事実。指導者のほうが後輩の立場なのだから、相手を先輩として敬い、自尊心をくすぐった上で、得意部門を生かしてもらうべくポジティブに誘導していく(ただしホントに重要な役には就けずにホしておく!)のも、人材活用のポイント。

◆放浪ケアマネ
 ・定義:転職を繰り返すタイプ。ただし建設的な転職もあるので、決して転職を重ねること自体がマイナスではない。ここに掲げるのは、自分の労働環境への不満ばかり口にして、利用者に対しての責任感が希薄な人のことである。
 ・処方箋:グループワークの場で、各メンバーが自事業所の労働環境について語る場を指導者が設け、「あらゆる面で理想的な職場」など存在しないのだと理解させる。たとえば指導者から、「次に転職するときには、利用者ごと転職したらどうですか?」と勧めてみる。利用者側にとって、頻繁にケアマネジャーが変わることは迷惑にほかならないことを認識してもらう。

◆「オヨヨ」ケアマネ
 ・定義:身の丈に合わない自称やハッタリで注目されても、現実には中身がない。人前では自分が知っている著名な業界人の名前を並べ立てるが、実際に役立つネットワーキングができておらず、コーディネート能力も欠如している。
 ・処方箋:はっきり言えば業界から消えて欲しいタイプである。それでも仕事を続けるのなら、会合や研修の場で偉そうなことを述べ立てても、指導者やメンバーが相手にせず受け流し、徹底して無視するのが良い。当人が空虚な引き出ししか持ち合わせない、いかに哀れな小物であるかを自ら痛感させる。それでも悟らなければ手の打ちようがない。

以上。いかがだろうか?

筆者自身も、気付かないうちにこれらの類型のどれかに当てはまっていないか、日頃から振り返っている。

地域のケアマネジャー仲間にこのテの人たちがいると結構扱いにくい。とは言え、日本全国でケアマネジャーの人材不足が取り沙汰される昨今、路線から大きく外れる人を出さない工夫も大切だ。地域のケアマネジャー連絡組織の指導者さんをはじめとする主任介護支援専門員さんたちには、多少なりとも参考にしていただければ幸いである。

2023年11月24日 (金)

十九年ぶりの引っ越し(1)

筆者が2001年に居宅介護支援事業を開業してから、はじめの三年は(特活)浜松NPOネットワークセンター(中区砂山町)の一角に間借りして事務所を開き、四年目に有限会社を立ち上げて現在の事務所(中区北寺島町。マンションの一部屋)へ移った。2004年9月のことである。

それから十九年、ずっとこの事務所で仕事をさせてもらうことで、さまざまな可能性にチャレンジすることができた。開業当初は地域のいち弱小ケアマネジャーに過ぎなかったが、さまざまなご縁をいただき、市や県での役職を依頼され、マイナーながら全国区にもなることができた。

その思い出深い事務所を、この年末限りで引き払い、年明けからは自宅開業になる。

移転するおもな理由は、母(2018年帰天)の介護を機に活動の幅が縮小し、それに伴って収入が減少したことである。自分自身も複数の疾患を抱えていることから、60代を迎えるに当たり、半ば引退モードに差し掛かっている。もちろん、次回の主任介護支援専門員更新研修は受講するつもりであるから、まだまだ六年やそこらは業務を続ける予定であるが、「可能な範囲で細々と仕事を続けていく」モードに入っていることは否めない。事務所家賃を払い続けるのが厳しい現実もある。

そこで来年1月1日の「浜松市の行政区割変更」を機に、「中央区湖東町」の自宅へ事務所機能を引き揚げることにした。

Alto

まず買い替えたのが車である。これまではマツダのデミオ(グリーンメタリック)だったが、9月にスズキのアルト(ベージュメタリック)を購入。軽に乗り換えたことで、燃費がグッと節約でき、これまで乗り入れが難しかった一部利用者さんの敷地にも、容易に入ることができるようになった。

次に名刺と封筒の印刷。年末になると大手企業などから「中央区」の名刺発注が集中するであろうから、先手を打って新たな名刺を準備。

他方で、モノの整理も必要になる。自宅に書庫などを運び込むため、スペースを空けなければいけないので、時間を見付けて作業を始めている。

その中でにあって、使える道具の活用を考えることは大事である。事務机はむかし自分が中高生時代に使用していたデスクを再利用しようと、これまでの部屋から新たな事務所へ運び込んだ。

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ここまでは序の口なので、これから本格的な作業をこなしていかなければならない。ペース配分に留意して、自分の体調とも相談しながら、段階的に引っ越し作業を進めていこうと思う。

次回へ続く)

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