芸能・アイドル

2020年12月29日 (火)

チャンスを生かして結果を出す

自分が若い時期に比べると、ネットが急速に普及して情報伝達が全く様変わりしてしまった現代、各界の若い人たちの活躍をリアルタイムで見聞きすることができる。起業して最先端の変革に取り組んだり、非営利な公益活動へ自主的に参画したり、スポーツや頭脳競技で一流どころの仲間入りをしたり、各地で活動する青年たちの姿に接すると、日本の次世代への期待は明るいものがある。まだまだ捨てたものじゃないな、と感慨深い。

「早熟」と呼ぶのが適切かどうかわからないが、ビジネスでは仁禮彩香氏(23)のように14歳で教育事業の会社を興して新風を巻き起こしている女性もいる。他方、公益活動では金子陽飛氏(17)のように高校在学中ながら町内会長を担う男性も登場している。もちろん、スタートが若ければ良いわけではないが、若者たちの活躍は同世代の人たちにも刺激になるので、それは大いに歓迎したい。

これらの若者たちに共通するのは、与えられたチャンスを生かそうと努めていることだ(私が若いとき、残念ながらその才能も力量も持ち合わせていなかった(笑))。家庭、経済、教育などの条件が影響して、チャンス一つさえ得られない若者のほうが圧倒的に多いのが残念な現実である(もちろんその中でも、20代後半以降にチャンスをつかんで大成する人はいくらでもいる)から、恵まれた環境にある若者には、それを生かして結果を出してほしいものだ。

過去の例で言えば、野球の斎藤佑樹投手(32)と田中将大投手(32)。2006年の高校野球では、甲子園で死闘を繰り広げた二人である。田中投手は高卒後に楽天入りして、連年輝かしい成績を上げ、2014年からは渡米してヤンキースの中核投手となり、年俸は25億に至る。他方、斎藤投手は大卒後の2010年に日本ハム入りしたが、デビュー前から指摘されていたフォームの改造を先送りにしたところ、初年度から故障の連続を招き成績は低迷が続いたため、年俸は1,250万まで低下した。フォームだけが原因ではないだろうが、チャンスを生かせなかったために結果を出せず、ライバルの200分の1の評価に甘んじている(次年度がラストチャンスかと言われているが...)。

いまの若者はどうだろうか。直接知っているわけではないが、報じられている知名度の高い人たちの中から、何人かの例を挙げてみよう。

山本みずき氏(25)、同じ発音の俳優さんとは別人。2015年に集団的自衛権をめぐる政治抗争が起きた際に、抗議活動を繰り広げた学生団体シールズのあり方に対し、冷静に疑問を投げ掛けて注目された論者である(当時20歳)。ここで論壇デビューのチャンスを与えられたわけだが、その後、慶大の大学院博士課程でおもに英国政治を専攻しつつ、氏は着実に成長、発信を続けている。一方に偏らず現実を踏まえた議論を展開できる数少ない人物だ。いまのメディア露出度は決して高くないが、急ぐ必要はないであろう。いずれ政治学者として大きな実績を上げることが期待されている。

花田優一氏(25)はご存知の通り、両親が名横綱と名アナウンサーであり、メディアに露出すると「鼻持ちならないお坊ちゃん」と見なされがちだ。本職は靴職人だと言っているが、他方で歌や絵画などのタレント活動にも余念がないだけに、本気度を疑わせる向きも多い。受注した靴が納期に間に合わなかったことを理由に、芸能事務所を契約解除されたことも報じられている。しかし2018年に、氏はイタリアの「PITTI IMAGINE UOMO」に靴を出品させてもらい、また将来注目すべき若いクリエイターに贈られるベストデビュタント賞を受賞している。チャンスを与えられたのだ。私自身はオーダー靴の世界とは無縁なので、氏が製作する靴が一定以上の水準なのかはわからない。仕事の評価は氏が作った靴を履く顧客たちや、全国の同業の巨匠たちから下されるべきであろう。本気で靴職人として大成したい思いが強いのであれば、仕事で結果を出してほしいものである。

久保建英選手(19)はサッカーの日本代表(2019-、現在最年少)であり、2017年からFC東京、2019年にスペインへ渡ってレアル‐マドリードに所属した。今年8月からビジャレアルに期限付きで移籍したのだが、ウナイ‐エメリ監督の起用方法が議論になっている。なかなか先発に起用してもらえず、出場しても十分な結果を出せないので、移籍まで取り沙汰されている状況だ。チャンスを生かせない同選手の側に課題があるのか、それとも監督側に起用ミスがあるのか? 小宮良之氏がSportivaで興味深い意見を述べているので、関心のある方は参照されたい。一言で要約すれば、「誰にも文句を言わせない仕事をしろ!」となるが...

藤井聡太棋士(18)こそは、与えられたチャンスをしっかりモノにしていると言えよう。昨年の王将戦では、事実上の挑戦者決定戦まで駒を進めながら、広瀬章人八段に大逆転で敗れて涙を呑み、史上最年少でのタイトル挑戦を逸した。そしてコロナ禍による緊急事態宣言のため、4・5月は愛知県から東京や大阪へ移動できずに対局延期が続き、決勝トーナメントのベスト4まで進出していた棋聖戦の進行が止まってしまった。移動解禁後、日本将棋連盟は棋聖戦の準決勝、決勝(挑戦者決定戦)、挑戦手合五番勝負第一局を、一週間の中に詰め込み、わずかに(それまでの記録より三日早い)最年少挑戦の可能性を与えた。同棋士は見事にその期待に応え、準決勝で佐藤天彦九段(元名人)、決勝で永瀬拓矢王座を連破して挑戦者となり、渡辺明棋聖(現名人)を3勝1敗で降してタイトルを奪取したのだ。続けて木村一基王位にも挑戦して王位を奪取し、史上最年少の二冠王となったことは周知の話。

あくまでも例として掲げたが、この四人に限らず、若者の将来は、大事な節目に集中力を発揮し、継続して努力精進できるかどうか、それ次第で変動する可能性は大きい。多くの若者たちには、ひとたび目の前にチャンスが到来したら、それを逃さずに飛躍して結果を出してほしいと願っている。

2020年7月12日 (日)

寝ても覚めてもアベのことばかり?(@_@)

これは「珍現象」なのだろうか?

まっとうな方々は、決してこうならないと信じているが、世間には何年か前から、たいへんな脳内状態になっている人たちがいるようなのだ。

俗に「アベ脳」と呼ばれている現象である。

語源はおそらく「安倍NO!」であろう。「アベ」と聞いて多くの人が頭に浮かぶのは、2012年12月から連続して内閣総理大臣を務めている方の名字であるから。

もちろん、現政権を批判するのは大いに結構である。私自身は中道右派であり、外交や防衛では現政権を大枠で支持しているが、経済・産業・科学技術に関しては賛否相半ば、社会政策に関しては問題大ありだと思って批判を続けている。

したがって、左派政党などの政権反対側の政治団体を支持する人たちにとってみれば、ほとんどの分野で現政権は強い批判の対象であることは想像に難くない。防衛費の増大による憲法9条との乖離、特定の企業との癒着、格差の拡大と貧困の深化などに対して、一貫して現政権を批判している人たちが、野党の党勢拡大を強く訴え、「アベを降ろせ!」と叫び、政権交代こそが唯一の根本的解決法だと主張していることは理解できる(それに賛同するかどうかは別の話だが)。

しかし、脳内状態が一定の線を超えてしまった人たちの思考は「政権批判」の枠に収まらず、私たちの理解を超えることが起きているらしい。

たとえば豪雨に代表される自然災害や、新型コロナウイルスに代表される疫病など、政府と何の関係もないところで発生した事案についても、現政権が黒幕となって作り上げている人工的な事象だと断じて、よろず「これもアベが悪い!」となってしまうのだ。最近見聞きした例では「線条降水帯はアベが人工的に作り出した」の類である。

それがさらに進行すると、救い難い状況になる。「あべのハルカス」に名前が悪いとクレームをつける人、「Abema TV」をネットで攻撃する人、さらには疫病退散の妖怪「アマビエ(amabie)」まで I am Abe のアナグラムだと陰謀論を唱える人、...この「アベ脳」の人たちの脳内状態には、想像を絶するものがある。

かく言う私も、二年ほど前、Facebookでいわば歴史友達になっている人の公開エントリーに、平安朝時代の「安倍氏(前九年の役。1051-62)」についてのコメントを書き込んだところ、全く知らない人から「政権賛美やめろ!」との趣旨の横槍コメを入れられ、「何だよ?この人は」と驚いたことがある(もちろん無視したが...)。

また、数週間前、事務所の近くで「すべてアベが悪いのだ!」との趣旨を周囲の人に説きながら歩いている年輩の女性に遭遇した。駅前でよく見かけるまっとうな左派政党関係の活動家の人たちとは、明らかに異質な人物であった。

ここまで来ると、四六時中「アベ」から離れられなくなってしまっているのではないか。恋愛、特に強烈な片想いと同様、「寝ても覚めてもアベのことばかり」の脳内状態になっているものと推測される。逆説的に、現総理はこの人たちにとって「アイドル」なのかも知れない(-_-;)

単なる思考能力や理解力の偏りが嵩じたものなのか、疾患の一種とまで言えるのか、正直「よくわからない」。アルコール、パチンコなどのよく知られている依存症(ドーパミンの分泌などに起因する)の一変型である可能性もあるだろうが、私自身は精神科の医師でも精神保健福祉士でもないので、何とも判断がつかない。

ホンモノの精神疾患を抱えている人たちの中には、苦悩して闘病しながら、社会生活に適応するため必死に努力している人たちも少なくない。その人たちにとって、単に政権担当者を叩いて鬱憤を晴らす、いわば言葉の暴力に伴う快感から始まっている、正体不明の依存症もどきと同一視されるのは、逆に迷惑この上ない話であろう。

あと一年余(予定)で現政権が退陣したあと、「アベ脳」の人たちがあっさり正常な状態に復して、「あれは何だったの?」ぐらいに終息してしまえば、それに越したことはない(^^;

しかし...この人たちの一部は、現政権の終了直後から標的を失ってしまい、深刻な「アベ‐ロス」に陥らないだろうか? そして、脳内の不具合な状態が修復されず、どこかで暴走してしまわないだろうか?

私は憂慮しているのである...

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